
利府梨について About Rifu-Pear
利府梨の始まり
利府町での梨栽培は、明治17年(1884年)に町内の日野藤吉氏(ひの・とうきち)によって始まりました。
彼は約20アールの水田を畑に変え、150本の梨の木を植えたのが最初の試みでした。当初、町の人々は 、「梨がなるまでに何年もかかるのに、どうやって食べていくのか」など、日野氏の行動をいぶかしんでました。しかし梨がなり、飛ぶように売れる様子を見た村人たちは次々と梨栽培を始めました。日野氏は、梨栽培を始める村人に親切に技術を教え、道具を貸し与えるなどして、栽培をサポートし、利府町の農家は天候に左右されにくい安定した収入を得られるようになり、町全体の農業が発展しました。
品種改良と発展
日野氏は栽培技術の改良に生涯を捧げ、特に「長十郎」品種の普及に貢献しました。長十郎は、甘みと水分が豊富で、しっかりとした果肉が 特徴の梨です。現在では「幸水」「豊水」「二十世紀」「あきづき」「新高」など、多様な品種が栽培されています。
利府梨の象徴
JR利府駅より少し歩いた「2号公園」に、日野藤吉氏の功績を称える頌徳碑が建てられています。梨の栽培が広まり、特に「長十郎」品種の人気が高まることで、町の特産品として全国に知られるようになり、利府町の経済は大きく活性化しました。公園には日野氏が植えたとされる真鍮梨の古木が残っており、利府梨の歴史を物語る貴重な存在となっています。
現代の利府梨
梨の旬である毎年9月から10月にかけては、利府街道など利府町の各地で直売所が設置され、販売が行われています。また、最盛期には梨祭りも開催され、町が盛り上がります。
利府梨の魅力は、何と言ってもその新鮮さではないでしょうか。梨に限りませんが、とれたての農作物の美味しさは、スーパーなどではなかなか味わえません。新鮮でジューシー、大きくて甘い梨を目指して、多くの人が旬の利府梨を楽しみに訪れます。
利府の丘果樹園は梨狩りができる「観光梨園」ですので、最高に新鮮な梨を手に入れることができますよ。
近年、利府梨の人気はますます高まっていますが、一方で梨農家の高齢化、廃業も多くなっています。利府町では梨農家を目指す「地域おこし協力隊」事業を行ったり、当園のように新しく参入する農業者も出てきました。これからも新鮮で美味しい利府梨が楽しめるよう、ベテラン梨農家も、新しい梨農家も力を合わせて利府梨を盛り上げていきたいものです。